SP1
5-1:保温できる環境づくり
5-2:着る魔法瓶は魔法の服

熱が伝わり方には、伝導、対流、放射の3種類があります。

固体のものよりも空気などの気体の方が熱伝導率(熱の伝わりやすさ)は低く、一般家庭でも1重の窓よりも2重の窓で間に空気がある方が断熱効果があるのはみなさんも知っているとは思います。同様に魔法瓶も2重構造になっています。

そこで使われたのが独立気泡という空気を多く含んだラバー素材を使用することにしました。独立気泡という小さく区切られた空気の層を持つことで、空気があまり対流しないことにより熱の移動が少ないため、断熱効果はより高まるのです。そして気泡を含むので柔軟性は抜群!!ちなみに魔法瓶は真空に近い状態にすることで対流が少なく熱の移動が起こらなくしているのですが、さすがに衣服を真空にできませんよね。

また魔法瓶内部は鏡面加工されており、温かい飲み物が外へ熱を放射しようとするところを、反射をすることで、熱の放出を防ごうとしています。
そこで、ヤマモト未来研究所は、独立気泡を持つラバー素材に、滅菌作用があり、反射率が高いチタンを特殊コーティングすることで、放熱を防ぐことにしました。

これらのことによって、3つの伝導、対流、放熱による3つの熱の伝わる原因を封じ込める素材を完成させ、その素材を使用した衣類を着用することで、体を包む構造となり、まるで魔法瓶を着たような衣類として完成したのです。

寒い冬には、魔法瓶に暖かいお茶を入れて、魔法服を着て、春のようにお出かけするのが未来の姿になるかもしれません。

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