-研究番号:15- 目の疲れを緩和してスッキリした世界が見れる研究



現代社会では紙を使用していた多くのものが科学技術の進歩によりデジタル化されてきています。普段の生活においてはスマホやタブレットPCが浸透し、メールだけではなく、スケジュール管理や本、新聞、雑誌などを読むのに端末を使うことが当たり前になりました。
また、職場の事務作業ではパソコンを使用することが当然となっています。このように光を発する画面を見続けることが多い社会で眼精疲労を感じている人、気づいていないだけで眼精疲労になっている方は非常に多いとされています。

VDT作業という言葉はご存じでしょうか。Visual Display Terminalといわれるパソコンやスマホなどのディスプレイ端末を使用して行う作業のことで、VDT作業を長時間続けることによって、心身にさまざまな不調をきたす健康障害を「VDT症候群」といいます。
国内の職場におけるVDT作業の普及を受け、厚生労働省は「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を2002年に策定し調査を開始しました。VDT作業による心身の疲労は「目の疲れ・痛み」、「首、肩のこり・痛み」、「腰の疲れ・痛み」、「頭痛」、「背中の疲れ・痛み」が挙げられ「目の疲れ・痛み」は調査開始以来、なんと90%以上の方が感じていることが分かっています。(「首、肩のこり・痛み」が70%でそれ以外が20%前後。)



アイマスクに赤外線放射素材を使用した研究では、正確性を確認するために赤外線放射素材と偽素材を使用したアイマスクを用意し、被験者にはその内容を伝えないダブルブラインドテストを行いました。
まず、脳波の成分波に有意差が出るかを検証しました。34名の健康な男女(平均年齢28歳)に目を酷使する作業を30分間実施後アイマスクを使用し、その前後の脳波を測定しました。
その結果、日常時や注意深くしている時に出る「ベータ波」は-1.7倍と減少傾向になり、リラックスをしている時に出て睡眠とも関係のある「アルファ波」は+2.2倍も増加傾向になりました。その中でも集中力やひらめきに関係する「ミッドアルファ波」は、3.5倍も有意に高まる傾向があることが分かり、赤外線放射素材の装着によりリラックスしながら作業ができることも分かりました。




その結果赤外線放射素材のものは偽素材のアイマスクと比べて調節性眼精疲労の回復が認められました。

将来は作業や環境によって脳波をベストな状態にコントロールできるアイマスクや帽子ができるかもしれませんね。
