-研究番号:14- 潤いを逃がさず自然な形で簡単にスキンケアをする研究



研究5でチタン合金を使った「保温」の話をしました。その研究をもとに作ったウェアはボディラインに対してタイトな作りで無くしたことと、蒸れないように内部の湿気を外に放出させる
0.5mm以下の空気孔を設けることでウェアとして仕上がりました。
この保温ウェアの製品化に向けた開発中、天敵となったのが「湿気」でした。逆にこの「湿気」をうまく利用して何かできないのか??・・・という発想で、もう1つの研究が始まりました。

「湿気」をうまく使うということで思い浮かんだのが「乾燥」に使うこと。
冬場になれば多くの方、特に女性はお肌の乾燥が気になります。
いわゆる乾燥肌です。
若い時では水滴がはじいていたお肌も、年齢を重ねていけばはじかず、むしろ吸い取るような皮膚になってしまうと感じている方も多いのではないでしょうか。それだけお肌は水分を欲しています。乾燥が酷くなれば指がひび割れたり、かかとがカサカサになったり、顔に粉がふいたりした経験はありませんか。
現代社会において乾燥は冬場だけの話ではなく、エアコンを使う夏場でも乾燥した空間にいることが増え、1年を通じて肌に悩む方が増えてきました。


お肌の表皮の外側の部分に角質層というものがあります。その一つ一つの角質の間には角質細胞間皮脂というセラミドがあり、これが保湿機能を持っています。「乾燥肌」は角質の水分含有量が低下することで起こり、この角質層が30%の水分を切ると「乾燥肌」と呼ばれるくらいになります。
この30%がキーポイントで、部屋の湿度が30%を切ってくれば、肌から水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥し肌荒れが起きやすくなります。とはいえ、外来診療で水分量を測るわけではなく、所見によって判断します。



そこでまず、かかとの部位を使って研究を行うことにしました。かかとのガサガサは多くの人が経験を持つ症状です。
チタン合金と山本化学の皮膚の動きに近いハニカム構造体ラバー素材でかかとを覆うサポーターを作り、装着前から60分間後のかかと側と足首前側の2点の肌水分率を調べることにしました。
その結果グラフの通り、多くの数値が30%を越え(越えていないものでも29%)、平均でかかと側で約119%、足首側で約123%の水分率が高まることが分かりました。


人によっては約5℃も上昇する方もいました。








ちなみに皮脂の分泌量のピークは男性で30代、女性は20代に迎えた後、減少していきます。
これからは乾燥には男性も気を付けてほしいものですね。